【本】クリティカルシンキング 入門篇(1)自己評価してみよう
昨日のエントリに引き続き、本日も書籍「クリティカルシンキング 入門篇」について。
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クリティカルシンキングとはなにか
この本の第1章は「クリティカルな思考とは何か、いかに学べばよいか」というタイトルです。
原著にはクリティカルシンキングの明確な定義はないらしく、訳者の方が定義しています。
適切な基準や根拠に基づく、論理的で、偏りのない思考と定義しておこう。クリティカル(批判的)には、しばしば、人の主張あるいは作品の欠点や不備をあら捜ししてけなすというニュアンスが含まれるのだが、もともとはそういう意味ではないことを強調しておきたい。
「科学的思考」と言ってもいいかもなぁ、と私は思っています。
クリティカルシンキングの10の特性
書籍では、ダンジェロが提唱した「優れた思考をする人の10の特性」が示されています。
そして、自分が知っている「優れた思考をする人」について、まったく当てはまらない=1 まさに当てはまる=5 の5段階評価で評価する、自己評価もしてみる、というワークがあります。
10の特性を一部抜粋して引用します。
- 知的好奇心 ―― いろいろな問題に興味をもち、答えを探そうとすること
- 客観性 ―― 何事かを決める時、感情や主観によらず、客観的に決めようとすること
- 開かれた心 ―― いろいろな立場や考え方を考慮しようとすること
- 柔軟性 ―― 自分のやり方、考え方を自在に改めることができること
- 知的猜疑心 ―― 十分な証拠が出されるまでは、結論を保留すること
- 知的誠実さ ―― 自分と違う意見でも、正しいものは正しいと認めることができること
- 筋道立っていること ―― きちんとした論理を積み重ねて結論に達しようとすること
- 追求心 ―― 決着がつくまで考え抜いたり議論をしたりすること
- 決断力 ―― 証拠に基づいてきちんと結論をくだすことができること
- 他者の立場の尊重 ―― 他人の方が正しい場合は、それを認めることができること
ちなみに私の自己評価ですが、5が1つ(知的猜疑心)、4が3つ(知的好奇心、追求心、他者の立場の尊重)、2が1つ(決断力)、あとは3でした。
猜疑心は強いと思うんですよね。
「この10個の特性で全部なのか、本当は違うのが入っていたりしないか、ダンジェロという人が勝手に言っているだけじゃないのか」と疑ってかかりましたから…
決断力はまあ低い方だろうな、腹くくると突っ走れるけど、それってもう納期です!みたいなときだしなー。
さて、自己評価された方、結果はどうでしたでしょうか。
書籍によれば、これらの諸特性が全般的に高い人がクリティカルな思考をできる人だそうです。
4以上、特に5が多く、クリティカル思考ができる人、という結果でしたでしょうか。
1や2だらけになって、がっかりされたでしょうか。
4や5があれば1や2もある、長所短所がはっきりした結果となった方もいるかもしれないですね。
オチ
10の特性で評価するワークには、書籍の末尾に解説がついています。
もしあなたが5と答えた質問が10問中5、 6個以上であるなら、おそらく自信過剰なのだと思われる。この問題の目的は、まずあなた自身のクリティカルな思考について、クリティカルに考えることから始めてもらいたかったわけである。あなたが1か2に○をつけた事柄こそ、あなたがこれから念頭において意識的に習慣づけるべき点なのである。
ちなみに、自分が知っている「優れた思考をする人」の評価がオール5だったら買いかぶり過ぎ。
1や2だらけだったらさすがにその人は優れた思考をするとは言えないんじゃないか、ということでした。
また、自己評価だけじゃなく、他の人にも評価してもらうといいよなんてことも書いてありました。
なお、個人の意見ですが、「1か2をつけた事柄こそ念頭に置いて習慣づけるべき」というのは、必ずしも弱点を強化せよ、そういう思考ができるようにならないといけない、ということを指してはいないんじゃないですかね。
私の場合だと、結論を出すということに慎重になる傾向がある、ということをまず認識しておけばいいんじゃないかと。
自分で常に決断しなければいけない、そうできるようになるために努力せねば、というのはきついので…
決断できる他の人に決断してもらうとか、他の人に背中を押してもらうとか、納期を短めに設定して決断が早められるようにするとか、そういうことをすればいいのかなと思っています。
これは、あくまで私の個人的な考えです。
私がストレングスファインダー信者であること、「個別化」「最上志向」をTop3に持つような思考スタイルであることの影響を多分に受けていると思いますのでご参考まで。