【本】クリティカルシンキング 入門篇(3)あなたの失敗はあなたのせい、私の成功は私のおかげ
今日の目標は、第3章を30分でやっつけることだ!ウェルカムやっつけ仕事!
前回はこちら。
自分のせいか、周りのせいか
この章は原因帰属、つまり、人がある行動をしたときに、その行動をしたのはどうしてかという原因を推測することを扱っています。
人の行動についての原因は、内的原因と外的原因の2つに整理されることが多いのではないかと思います。内的原因とは、その行動を取った人の能力とか性格とか知識とか努力とか、といった、その人自身に属する原因ですね。外的原因はその人の外側にあるもの。環境とか、他者の影響とか、そういうやつです。
この章あたりから、私の大好きな「バイアス」の話がよく出てきます。推測や判断をする際の偏りのことですね。で、内的原因と外的原因のどちらに原因を帰属させるかには偏りがあります。
基本的な帰属の錯誤(エラー)
まずは「基本的な帰属の錯誤」。他人の行動を説明する時は、内的に帰属させやすいのです。Aさんが失敗したのは、Aさんの能力が低いからだ。Bさんが腹を立てたのは、Bさんが怒りやすい人だからだ。こういうやつですね。
行為者-観察者効果
「基本的な帰属の錯誤」の原因の1つとして、行為者-観察者効果というものが知られています。自分と他の人が同じ行動を取った(同じ結果になった)時に、他の人の場合はその人の内的原因に、自分の場合は外的原因に帰属させやすいのです。
自己高揚バイアスと自己防衛バイアス
行為者-観察者効果ですが、いつも同じように自分の行動を外的原因に帰属させるかというとそうではなく、自分にとって良い結果の場合は自分の内的原因に、悪い結果の場合は外的原因に帰属させやすいという傾向があります。前者が自己高揚バイアス、後者が自己防衛バイアスです。
自己防衛バイアスは「なんで○○ちゃんを叩いたの!」「だって○○ちゃんが意地悪するから!」みたいなやつですね。要は言い訳です。でもテストでいい点取れたら「自分が頑張ったからだ」と考えるわけです。これが自己高揚バイアス。「自分が直前に読んだところが運良くテストで出て、それが高配点だった」なんていちいち考えないわけです。
内集団バイアスと外集団バイアス
行為者-観察者効果での「他の人の場合はその人の内的原因に」にはさらに細かいパターンがあります。相手が自分と同じ集団に所属する場合は相手を贔屓するというものです。自分と同じ集団のことを内集団と言います。外集団は自分と異なる集団です。日本人であれば日本人を贔屓する。内集団のほうが外集団より優秀であると判断するというのが内集団バイアス・外集団バイアスです。
そして、原因帰属の話で言うと、自分の家族が成功した時は家族の内的原因に原因帰属させ、失敗したときには外的原因のせいにするわけです。自国の国民ではない人がなにかトラブルに巻き込まれた際には、その人の性格が悪いとか注意が足りないとか言う。つまり、その人の内的原因に帰属させるわけですね。外集団が成功したら外的原因のおかげ、失敗したら内的原因のせい。内集団が成功したら内的原因のおかげ、失敗したら外的原因のせいにしてしまう。これを究極的帰属錯誤と言うそうです。
なるべく適切に帰属させる
3章はだいたいこんなところです。要は人間ってのはバイアスだらけです。しかもこいつらはほとんど無意識です。なかなかたちが悪い。
どうしてそうなるかっていうと、バイアスは適応的だからなのです。バイアスに頼っている方が頭使わなくてよくて、楽なわけです。頭使うとエネルギー使いますからね。
適切に原因帰属しようと思ったら、ちゃんと頭を使うことかなと。
例えば、ある人が何か問題がある行動を取った。それはその人がそういう行動を取っただけで、その人が属する集団みんな問題がある行動を取るわけじゃないかも。その人だって、いつもそんな行動を取るわけじゃないかもしれない。いつもとは違う、何かの状況があったのかもしれない。
冷静に判断する。いきなり決めつけず、「本当にそうなの?」と立ち止まるのが大事かなと。
これで今日は終わりです。やっぱ1時間半かかった。