変化
2020年、何が変化したか。
長年「対面で提供しなければならないもの」であった、私の仕事、研修が、ほとんどオンラインになった。
私にとって最大の変化である。
私が勤務する会社は、もともとテレワークOKだった。元は許可制だったのがデフォルトがテレワークになった。通勤交通費はこれまでデフォルト支給だったものがオプションになったが、給与制度全般に関しては2018年の方が大きく変わった。
私の仕事である研修の提供は、オンラインが主体になったが、そのうち企業研修そのものがなくなるかもしれない。講師が教えるという時代は遠からず終わるかもしれない。
2020年、もう戻れない大きな変化があった年。
世の中はそんな風潮であるように、私は感じる。
じゃあ2019年はどうだったのか。2018年は。2017年は。ずっと変化していなかったのか。それまでは戻れたのか。これからはあまり変化しないのか。
2016年にはトランプ氏が大統領に就任した。インターネットは世界を狭くした。人間は最初徒歩で移動し、動物に乗るようになり、動物に車を引かせるようになり、蒸気機関を発明し、化石エネルギーを手に入れ、空を飛ぶようになった。
世の中はずっと変化し続けている。
そして、かなり多くの変化は、もう元に戻らない。
世界は変化し続けるものであり、元に戻らないものである。私は2020年にそう思うようになったのではなく、もともとそういう世界観だったように思う。それがいつのことからからはわからないけど。少なくとも10年はそう考えていたらしい。
地球はずっと変化してきていて、たしかに周期的な変化もあるにはあるのだが、多くの変化は不可逆的だ。
古生代、世界は一つの大陸、パンゲアだった。パンゲアも元は別の大陸が衝突して出来上がったもので、やがて分裂してまた衝突した。しかし再衝突で出来上がったものは今の世界であり、パンゲアがもう一度出来上がったわけではない。
人類は多くの種を絶滅に追いやった。現在も多くの種を絶滅に追いやり続けている。しかしそれは人類がエゴイストであるからではなく、いろいろな生命体が生存のために他の種を滅ぼし続けていて、その顕著な例というだけかもしれない。そして、人類以上に、地球そのものが多くの種を絶滅に追いやっている。絶滅した種は二度と地球に戻ってこない。その一方で、新しい種、新しい生命体が生まれ続けている。
新型コロナウィルス2019-nCoVは人類にとって脅威だ。そのせいで人類は絶滅するのでは、と思うこともある。絶滅はしないまでも、大きく数を減らすかもしれない。
ただ、それは遅かれ早かれ人類にやってくるはずだったことである。
地球はこれまでも変化し続けていて、それによって多くの種を滅ぼした。しかし生き残る種もいる。環境に適応したものである。
適応は意図して行われるものではないと思う。生命体は遺伝子のエラーによって偶然変化する。そのエラーが生命体、あるいは遺伝子の保存に役立つときもあるし、滅びを早めるときもある。
人類はほんの少しだけであるが、意図して変化に適応できる能力を持っている。もちろんその能力のせいで、遠からず滅びる可能性もあるだろう。しかしその能力を持ってしまった以上、それを使って生き延びるしかない。人類が、いや、個々のホモ・サピエンスという生命体が。
どんなにあがいても、50億年後には地球はなくなる。おそらくその宿命を避けることはできないだろう。せいぜいできることは、その中でいかに生きるか、ということなのだろうと思う。
お題「#この1年の変化 」